携帯電話・スマートフォンを落としたときの落とし穴

 電子マネーのスマホ用アプリは支払いのほか、インターネットに接続して残高確認や、事前に登録したクレジットカードや銀行口座などから入金(チャージ)ができるのが一般的だ。
 東京高裁が今年1月に出した判決が注目を集めている。スマホを紛失したことによって前払い式電子マネーの「楽天Edy」を不正利用された千葉県の男性が、運営会社の楽天Edy(東京・世田谷)などに損害賠償を求めていた裁判だ。
 一審の東京地裁判決では男性の主張は認められなかったが、東京高裁では一転して楽天Edyに約224万円の支払いを命じた。
 男性は利用限度額が普段の利用状況に応じて決まるタイプのクレジットカードでチャージし、利用していた。スマホを紛失したのは2012年11月。翌日には携帯電話会社に連絡して通信サービスを停止し、これでアプリも使われないと考え、楽天Edyには連絡しなかった。
 意外と知られていないが、スマホの通信サービスを停止してもアプリは使える。無線通信「Wi―Fi(ワイファイ)」の通信機器(ルーター)などを使えばインターネットに接続できるからだ。男性の場合、13年1月までの約2カ月間で登録クレジットカードから約290万円を不正にチャージされた。
 クレジットカードには「会員に過失がなければ連絡から一定日数までの不正利用を補償する」(JCBの藤井和貴氏)制度がある。しかし、紛失したのはスマホだったため、男性はクレジットカードの利用停止手続きはしなかった。
 前払い式の電子マネーには不正利用の被害を補償する仕組みはない。男性は約224万円の損害賠償が認められたが、クレジットカードの利用明細を見て速やかに連絡しなかったことなどから、約66万円分は自己負担となった。
 スマホ紛失時に不正利用を防ぐのに最も確実な方法は、電子マネーの運営会社に連絡し、利用停止手続きをすることだ。
 セブン&アイ・ホールディングス系のnanaco(ナナコ)やイオンのWAON(ワオン)は電話窓口で受け付けている。東日本旅客鉄道のSuica(スイカ)や楽天Edyは専用サイトでも可能だ。停止後に新しいスマホで手続きをすれば、再び利用できる。
 スマホにクレジットカードの情報を入力していて不安な場合は、カード会社に相談するのも手だ。手数料は有料が一般的で手間はかかるが、カードを再発行するというのも選択肢だ。
 スマホに様々な個人情報を入力する機会は増えている。紛失しても第三者にたやすく操作されないように、スマホの画面のロック解除や電子マネーのチャージ時に必要なパスワードを厳格に管理することも、不正利用を防ぐ手段として有効だろう。


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