有効期限のないクーポンの利用を断られたらどうする?

有効期限のない「コーヒー1杯無料券」を使おうとしたら「かなり古いので無効です」と言われてしまったそうです。「期限が書いていない場合は、お店側が『今日から使えません』と宣言すれば自動的に無効になるのでしょうか?」との質問。

この質問について、大橋 賢也弁護士
に聞きました。

本件は、期限が明記されていない「コーヒー1杯無料券」はいつまでも使用できるのかという問題です。「コーヒー1杯無料券」を法律的に見てみると、「無記名債権」といえると思います。

無記名債権とは、証券上に債権者を表示しないで、債権の成立・存続・行使などに原則として証券の存在を要件とする債権のことをいいます。たとえば、商品券、入場券、乗車券などによってあらわされる債権があげられます。

では、無記名債権は、いつまでも権利行使できるのでしょうか?

民法は、無記名債権を「動産」(不動産以外の財産のこと)とみなしています(86条3項)。そして、動産所有権は、消滅時効(一定の期間の経過によって権利が消滅してしまう制度)にはかからないことから、無記名債権にも消滅時効は考えられないようにも思われます。

しかし、学説上は、無記名債権の消滅時効については、「債権の規定にしたがい消滅時効を認めるべきで、『動産所有権は消滅時効にかからない』とする理論によるべきではない」と考える見解が有力のようです。

したがって、期限が書かれていない「コーヒー1杯無料券」は、商法522条により、5年で消滅時効になると思われます。

本件でも、お店が「今日から使えません」と宣言すれば、自動的に無効になるわけではなく、「コーヒー1杯無料券」を発行してから5年が経過すると消滅時効にかかるので、その時点で店から「使えません」と言われれば、使えなくなるということです。

もっとも、その店が、従来から、5年よりも短い期限内に限って使える「コーヒー1杯無料券」を配布していたという事情があれば、仮に期限が書かれていなかったとしても、5年以内でも使えなくなることもあると思います。

引用元
「1家族1個まで」なのに家族全員で購入…法的には?


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