偽造品が見つかったハーボニー、もはや薬剤師も信用できない?

 正規とは異なる「裏」の医療用医薬品流通ルートで出回ったことが明らかになったC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品。

 本物のハーボニーは、ひし形のだいだい色の錠剤で、その表面に「GSI」、反対面に「7985」の刻印があり、1ボトル28錠入り。
 「ハーボニー配合錠」の薬価は1錠54,796.9円のため、ボトル(28錠)で約150万円。(ちなみに日本で販売され始めた2015年の薬価は80,171.3円)
 この価格の高さとボトル製剤だったことからターゲットにされたと考えられる。

 そもそもこの問題が発覚したのは、奈良県などに「サン薬局」を展開する薬局チェーン「関西メディコ」から処方されていたハーボニーを、患者が服用前に「形や色が違う」と異変に気づき発覚した。
 
 その後の調査により、最初に持ち込まれた卸売業者から薬局チェーンに渡るまでの流通ルートがほぼ判明。

 厚生労働省によると、偽造品が最初に持ち込まれたのは東京都千代田区のJR神田駅前にある、「医薬品 高価買取」などの看板を掲げる卸売業者。
 医薬品を公定の薬価より安く買い取り、別の卸売業者に転売する「現金問屋」と呼ばれている。
 最初に買い取ったのは昨年11月17日とみられ、年明け以降も複数回購入していた。

 現金問屋が買い取った偽造品入りボトルは別の卸売業者を経由し、5本が奈良県などで薬局チェーンを展開する「関西メディコ」に納入された。ここで薬を処方された患者が、1月6日に錠剤が違うことに気づいたということだそうだ。

 医薬品は通常、製薬会社から卸売業者を介して病院や薬局に納入される。一方で薬局などが余った医薬品を現金問屋に持ち込むこともある。正規ルートではない取引だが、違法ではない。ただ取引の際には都道府県の許可が必要だ。

 しかし都内のある現金問屋の社長は「名刺くらいは見ても、許可証の確認まではしない」と説明。今回の現金問屋も持ち込んだ人物の身元を確認せず、仕入れ先を記す帳簿には架空の法人名を記入していた。
 
 また奈良県によると、関西メディコは昨年5月以降、正規取引先ではない4つの卸売業者から購入し始めた。見つかった偽造品5本はすべて正規品にある紙箱や添付文書がついていなかった。
 県の調査に同社は「市価より安かったので購入した。いずれも以前からの取引先で、偽造品とは思わなかった」と説明しているという。

 偽造品はすべて紙箱や添付文書はなかったが、ボトルは正規品のものだったこともあり、ボトル製剤からヒート製剤に4月から変更される予定。

 しかし、どの薬剤師も気づかずに、患者さんからの訴えで気づいたということは、ハーボニーをボトルのまま処方していたのだろうか?
 ボトルのまま処方するのに、外箱や添付文書なし、ボトルだけそのままで気にならないとは、どういう神経をしているのだろうか?
 また、もし分包していた(中身の錠剤を見ていた)のに誰も気づかなかったのなら、サン薬局には非常に優秀な薬剤師さんがたくさんいるのだろう。
 サン薬局を運営する関西メディコはスズケンを含めて医薬品卸売販売業5社からハーボニーを仕入れていたと発表しているので、それなりの数が出ており、もちろん同じ薬局から継続的に出ていたと思われるので、違う錠剤が入っていると気づく機会はあったと思うが。

 サン薬局が約束するとホームページに掲げている「患者様に本当に必要な薬を正しく調剤し、適切な服用指導や服用後のフォローはもちろん、患者様からの相談や意見を真摯に受け止め、「かかりつけ薬局」として深い信頼関係を築き、地域の皆様の健康を守り続ける」という言葉を誰が信用できようか。このような薬局を誰がかかりつけにしたいのだろうか?



関西メディコからの発表は以下の通り

2017.01.23
C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品に関しまして

                           平成29年1月23日
患者様・関係の皆様方へ
                          株式会社 関西メディコ
                           代表取締役 安井将美
                  
                        
謹啓
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
この度は、C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品につきまして
ご心配をおかけしました事深くお詫び申し上げます。

厚生労働省・奈良県薬務課 公式発表の通り「ハーボニー配合錠」の偽造品は弊社にて発見されました。
発見後はただちにギリアド社へ報告、当社在庫品すべてを回収、同社立会いの元確認し、
5本の偽造品が見つかった次第です。

また、発表にありますとおり、すぐに投薬した患者様に問い合わせを行い、
お渡ししているハーボニーが正規品であることを確認いたしております。
 弊社はスズケン以外に、医薬品卸売販売業4社よりハーボニーを購入しておりました。
すべて医薬品医療機器等法はじめ関係法規に抵触する事のない取引であり、
在庫数や入庫履歴、偽造品数より12月下旬の購入分であることは推察されましたが、
今回の偽造品が紛れた流通経路の解明に時間を要するため、
まずは「注意喚起」として厚生省・ギリアド社から弊社名・詳細を伏せた形で発表されました。

私共は調査協力の為に、各報道機関への取材等にも応じることができず、
患者様・関係の皆様方への説明も遅くなりご心配をかけしましたこと、
重ねて深くお詫び申し上げます。

併せまして、一部業界紙に「違法な取引」、「ギリアド社より告訴」とも取れる表現がなされたことは
非常に遺憾ですが、前述のとおりそのような事実がないことはお約束する次第です。

今回のようなことを二度と発生させないことは弊社の責務であり、
地域社会に根ざした会社として地域医療貢献のために鋭意努力いたす所存です。
                                  敬白


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